大きな地震などによって鉄道が長時間止まったとき、外出先から自宅へ帰ることができない「帰宅困難者」が発生する可能性があります。
東武東上線の上福岡駅やふじみ野駅を利用して通勤・通学している方にとっても、決して遠い話ではありません。
では、実際に大きな災害が起きて電車が止まったとき、どう行動すればよいのでしょうか。
ふじみ野市ではどのような支援が想定されているのでしょうか。
私は令和7年の一般質問で、ふじみ野市の帰宅困難者への支援体制や、企業・商業施設との連携について市の考えを確認しました。
今回は、現在のふじみ野市地域防災計画と、議会で確認した内容をもとに紹介します。
基本は「むやみに移動しない」
災害が発生して鉄道が止まったとき、「できるだけ早く家へ帰りたい」と考えるのは自然なことだと思います。
しかし、大勢の人が一斉に徒歩で移動すると、道路が混雑し、消防車や救急車などの緊急車両の活動に影響する可能性があります。
混雑した場所では、転倒や群衆による事故など、新たな危険が発生することも考えられます。
そのため、ふじみ野市地域防災計画では、市内で通勤・通学している人への対策として「むやみに移動しない」ことを基本としています。
まずは自分の身の安全を確保し、市や鉄道事業者などから発信される情報を確認することが重要です。
ふじみ野市の一時滞在施設
現在公開されているふじみ野市地域防災計画では、帰宅困難者の一時滞在施設として、次の施設が位置づけられています。
- 出張所
- コスモスホール
- ふじみ野ステラ・イーストホール棟
- 産業文化センター
一時滞在施設は、災害時に帰宅が困難になった人が一時的に滞在するための施設です。
普段から自由に避難先として利用できるという意味ではなく、災害の状況に応じて市が開設し、必要に応じて帰宅困難者を誘導することが想定されています。
実際に災害が発生した際には、施設へ直接向かう前に、市や鉄道事業者などが発信する最新の情報を確認することが大切です。
「指定避難所」と「一時滞在施設」は役割が違います
ここは、知っておくとよい点だと思います。
災害時に地域の住民が避難生活を送るための指定避難所と、通勤・通学や外出中に帰宅できなくなった人が一時的に滞在する一時滞在施設は、役割が異なります。
例えば、電車が止まり、上福岡駅やふじみ野駅周辺で帰宅できなくなった場合には、必ずしも近くの小中学校へ向かえばよいということではありません。
災害の規模や被害状況によって対応も変わるため、そのとき発信される情報を確認して行動する必要があります。
長時間帰れない場合の支援も想定されています
ふじみ野市地域防災計画では、一時滞在が長時間にわたる場合には備蓄品を配布することも定められています。
また、公共施設などの一部を休憩所やトイレとして開放することや、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、ファミリーレストランなどに休憩場所としての協力を求めることも想定されています。
さらに、帰宅することが可能な状況となった際には、県と連携して代替輸送に努めることも計画されています。
「電車が止まったら、あとは自力で帰るしかない」ということではなく、状況に応じた支援体制があらかじめ考えられています。
議会で帰宅困難者対策を取り上げました
私は令和7年の一般質問で、災害時の帰宅困難者対策について市へ質問しました。
確認したかったことの一つが、市としてどのような支援体制を準備しているのかということです。
市からは、一時滞在施設の確保や防災備蓄品、緊急速報メールなどによる情報提供、東武鉄道などの公共交通機関との連携について答弁がありました。
もう一つ質問したのが、企業や商業施設との協力です。
大規模な災害では、行政の施設や備蓄だけですべてに対応することには限界があります。
そこで、企業や商業施設と平時から協定を結び、一時的に滞在できる場所や水、トイレ、災害情報などを提供できる仕組みを広げていくことが、地域全体の災害対応力を高めることにつながるのではないかと考えました。
市からは、一部の商業施設との協定で、一時避難場所や水道水、トイレ、災害情報などを提供する内容が定められていることが示されました。
一方で、企業の従業員が一斉に帰宅することを抑制するところまで協定に含まれていないことも確認できました。
市からは、県との連携や他市の事例を参考にしながら、効果的な取組を検討していくとの考えが示されています。
鉄道事業者との連携も重要だと考えています
一般質問では、鉄道事業者との連携についても意見を述べました。
帰宅困難者が発生する場面を考えると、上福岡駅やふじみ野駅などの鉄道駅は非常に重要な場所になります。
他の自治体では、行政と鉄道事業者が連携して、駅を中心とした災害対応力の強化を進めている事例もあります。
もちろん、駅の規模や利用者数、周辺施設など地域によって条件は異なります。
そのため、他市の取組をそのまま導入するのではなく、ふじみ野市の地域特性に合った形で、東武鉄道をはじめとする関係機関との協力をさらに進める余地があるのではないかと考えています。
平時だからこそ、一度確認しておく
帰宅困難者対策は、災害が起きてから初めて考えるのでは、できることが限られてしまいます。
自分が普段利用している駅の周辺にどのような施設があるのか。
勤務先や学校では、災害時にどのような対応をすることになっているのか。
家族とはどのような方法で安否を確認するのか。
こうしたことを平時に一度確認しておくだけでも、実際の災害時の行動は大きく変わると思います。
行政としても、一時滞在施設を決めておくだけではなく、「災害が発生したときに、どこが開設されているのかをどう伝えるのか」「鉄道事業者や民間施設とどのように連携するのか」まで、実際に機能する体制をつくっておくことが重要です。
今後も、企業や商業施設との協力、鉄道事業者との連携、一時滞在施設の運用や情報提供の方法など、帰宅困難者対策がより実効性のあるものとなっているか確認していきます。
参考:ふじみ野市地域防災計画
議会活動:令和7年一般質問「災害時の帰宅困難者対策」
ふじみ野市議会議員
かねはま こうけん(金濵高顕)






