議会報告

ふじみ野市立博物館の開館記念式典に出席しました

2026年8月30日、ふじみ野市立博物館の開館記念式典に出席しました。

ふじみ野市立博物館は、上福岡歴史民俗資料館と大井郷土資料館を統合し、旧大井図書館・旧大井郷土資料館の建物を改修して整備された施設です。

一般開館は9月1日から。「陸のみち」「川のみち」を常設展示の中心テーマとして、ふじみ野市の歴史や文化を学ぶことができるほか、ギャラリー、研修室、会議室なども備えた新たな社会教育の拠点となります。

式典終了後には館内を見学する機会もありました。

実際に展示を見て、まず感じたのは、非常に高い水準でまとめられた博物館になったということです。

ふじみ野市博物館 外観 式典の様子 授乳室 研修室

子どもたちにも興味を持ってもらえる展示に

展示は、資料をケースに並べて詳しい説明を読むだけというものではありません。

模型や映像、立体的な展示などが組み合わされ、全体として現代的で見やすく、いわゆる「今の博物館」らしい展示になっていると感じました。

特に印象に残ったのが、解説の工夫です。

詳しい説明の中にも、吹き出しなどを使いながら、子どもたちが「これは何だろう」「どういうことだろう」と興味を持つきっかけになるような短い言葉が随所に配置されていました。

大人には詳しい情報を伝えながら、子どもには歴史に興味を持つ入口をつくる。

親子で一緒に展示を見ながら話ができるような工夫が感じられ、学校教育や社会教育の場として活用していくうえでも、とても大切な視点だと思います。

計画段階から期待してきた「新しい博物館」

この博物館については、完成して初めて関心を持ったわけではありません。

令和7年6月議会の委員会では、上福岡歴史民俗資料館と大井郷土資料館を統合して博物館にするという方向について、「かなりすばらしい取組」だと評価したうえで、どのような議論や意見を経て現在の計画に至ったのかを確認しました。

市からは、上福岡歴史民俗資料館の老朽化や狭隘化などを背景として、資料館の利用団体、資料館運営協議会、文化財保護審議会、社会教育委員会議などから意見を聴き、ふじみ野市の文化と歴史を総体的に学べる博物館として整備することになったとの説明がありました。

また、「川のみち」「陸のみち」という展示構想についても、当時の委員会で大きな期待を述べています。

今回、完成した展示を実際に見て、その考え方がきちんと展示空間に落とし込まれていると感じました。

「博物館ができるまで」も残されていました

令和7年6月の委員会では、二つの資料館を統合して新しい博物館に至るまでには多くの方々による検討があり、その過程自体にも価値があるのではないかと考え、

「こういった経緯で博物館ができました、そういったものも残すことができれば」

という趣旨の発言もしました。

今回館内を見ていると、実際に「博物館ができるまで」と題して、整備の過程を写真で紹介する展示が設けられていました。

もちろん、私の発言によって設けられたと考えているわけではありません。

ただ、施設そのものだけではなく、そこに至るまでに多くの人が関わり、考え、形にしてきた過程も地域の記録として残してほしいと考えていたため、この展示を見つけたことはうれしく感じました。

三福学校について、これまで確認してきたこと

一方、実際に完成した展示を見たからこそ、今後さらに工夫できるのではないかと感じた部分もあります。

その一つが三福学校です。

三福学校については、令和6年3月議会から継続して取り上げてきました。

当時、市からは、三福学校にはもともと71本の柱や梁があり、そのうち45本が残っているものの、腐朽菌の発生などから文化財としてそのまま残すことが難しく、新しい資料館での3D映像化や、校舎部材の一部を展示することを検討しているとの説明がありました。

私はその際、現存する柱や梁について、単に建材として使用するということではなく、当時のものをできるだけ展示に生かしてほしいと要望しました。

さらに、三福学校を大型の模型やレプリカなどで再現し、子どもたちがその中に入り、歴史を感じたり触れたりできるような社会教育につなげてほしいという考えも述べています。

令和6年度一般会計予算の賛成討論でも、同じ趣旨から、現存する部材を生かしながら子どもたちが三福学校の歴史を体感できるような復元のあり方について要望しました。

完成した三福学校の展示を見て

その後、令和7年6月議会では、市から「一部は必ず新博物館で使う」との説明があり、三福学校の既存模型についても、内部を見ることのできる展示にすることが検討されていました。

今回、実際の博物館では、三福学校の部材の一部が展示に活用されていることを確認することができました。

模型についても非常に丁寧に作られており、細かな部分まで見ることのできる完成度の高いものになっています。

だからこそ感じたのが、「ぜひ、いろいろな方向から見てみたい」ということでした。

現在は主に正面側から見る配置ですが、裏側にも建物の構造を知るうえで重要な部分がしっかり作り込まれています。

将来的に、模型の周囲を回るなどして360度さまざまな方向から見ることができれば、せっかくの模型の魅力をさらに引き出すことができるのではないかと思います。

また、実際の部材が展示に活用されたことは評価したいと思います。

一方で、私がこれまで期待してきた「現存する木材をできるだけ生かし、子どもたちが三福学校という建物やその歴史を体感できるような残し方」という点では、もう一段活用できる余地もあるのではないかと感じました。

すでにある展示を生かしながら、三福学校の記憶をこれからどのように次の世代へ伝えていくのか、今後も見ていきたいと思います。

駒林の籠作りにも、さらに光を

もう一つ、今後さらにスポットライトが当たればと思ったのが、駒林地域の籠作りです。

かつて駒林地域では籠作りが盛んでした。

今回改めて資料を確認すると、富士見市立難波田城資料館の資料にも、下南畑で生まれた竹かご職人が14歳になると駒林の「カゴ屋」へ奉公し、その後独立したことが記録されています。

現在の市域を越えて人が修業に来ていたことからも、駒林に籠作りの技術が根付いていたことをうかがうことができます。

新しい博物館にも籠に関する展示はありました。

ただ、初めてふじみ野市の歴史を知る人が見たときに、「駒林にはこうした籠作りの歴史があったのだ」と強く印象に残るところまでは、私は感じませんでした。

常設展示のスペースには限りがあり、地域のすべての歴史を同じ大きさで紹介することはできません。

だからこそ、今後の企画展示なども含め、こうした地域に根付いていた仕事や技術にも改めて光が当たることを期待しています。

展示だけではない、社会教育の拠点として

新しい博物館には、展示室だけではなく、ギャラリー、研修室、会議室なども整備されています。

研修室や会議室については、博物館事業で使用していないときには、学習会や講習会、展示会、会議などにも利用できる仕組みになっています。

令和7年6月議会でも私は、歴史や文化を展示することだけではなく、社会教育を充実させる施設としてどのような将来像を描いているのかを確認しました。

市からは、子どもたちや新しく住民となった方々へ地域の歴史や文化を伝えること、体験学習を行うこと、市民が交流すること、美術・芸術・科学などにも触れられる場にしていきたいとの考えが示されています。

今回実際に研修室なども見学し、これから市民の皆さんによるさまざまな学びや活動に使うことのできる施設になったと感じました。

また、小さな子どもを連れた方が利用することを想定した設備など、幅広い世代が利用しやすくするための細かな配慮も感じました。

博物館を「歴史に詳しい人だけが行く場所」にするのではなく、子どもたちを含め、多くの市民が気軽に訪れ、自分たちが暮らす地域について知る入口にしていくことが大切だと思います。

開館はゴールではなく、これからのスタート

今回、完成した館内を実際に見て、ふじみ野市立博物館は非常に高い水準でスタートできる施設になったと感じました。

同時に、博物館は建物や常設展示が完成した時点ですべてが終わる施設ではありません。

新しい調査や研究によって分かることが増え、企画展示が行われ、市民から資料や情報が寄せられ、子どもたちが学びに訪れる。

そうした積み重ねによって、10年、20年と時間をかけて内容がさらに充実していく場所だと思います。

三福学校や駒林の籠作りをはじめ、ふじみ野市には、まだまだ次の世代へ伝えていきたい地域の歴史があります。

今回の開館を新しいスタートとして、ふじみ野市立博物館が多くの市民に親しまれ、ふじみ野の歴史と文化を未来へつないでいく施設となることを期待しています。

活動日:2026年8月30日
関連する議会での発言:令和6年第1回定例会、令和7年第2回定例会

ふじみ野市議会議員
かねはま こうけん

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