ふじみ野市の指定避難所の多くは、市立小中学校に設置されています。
私は2022年12月のふじみ野市議会定例会一般質問で、災害時の通信手段を確保するため、学校に整備されている無線LANを避難者向けのWi-Fiとして活用できないか、市の考えを確認しました。
一般質問では、学校Wi-Fiを災害時の無料公衆無線LAN「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」へ切り替えることが技術的に可能であること、当時の導入費用の試算、セキュリティー上の課題などについて答弁がありました。
この記事では、2022年12月の一般質問で確認した内容を記録します。
ふじみ野市の指定避難所とWi-Fi
ふじみ野市では、市立小中学校などが地域防災拠点(指定避難所)に指定されています。
学校には、児童生徒や教職員が教育活動で利用するための校内無線LANが整備されています。
一方、大規模災害では携帯電話の通信が集中したり、通信設備が被害を受けたりすることで、スマートフォンによる情報収集や家族との連絡が難しくなることも想定されます。
そこで2022年12月の一般質問では、既に学校に整備されている無線LANを災害時に避難者へ開放できないか質問しました。
学校の無線LANを避難者向けに開放できないか
市からは、指定避難所となる小中学校体育館には校内無線LAN環境が整備されているとの説明がありました。
ただし、通常は児童生徒や教職員が教育目的で利用するネットワークであり、一般向けには開放されていません。
私は再質問で、
「校内Wi-Fiを災害時のフリーWi-Fiに転用することは、技術的に可能なのか」
と確認しました。
市からは、当時の市内小中学校に設置されていた無線LANシステムについて、「Wi-Fiモードセレクター」という切替機を追加することにより、災害時に開設される無料公衆無線LAN「00000JAPAN」へ切り替えることが可能なシステムであるとの答弁がありました。
つまり、2022年12月時点では、学校のWi-Fiを災害時に一般開放することは技術的には可能であることが確認できました。
市内19校への導入費用は当時約500万円との試算
次に、実際に導入した場合の費用について確認しました。
市の答弁では、当時、市内19か所の小中学校体育館にWi-Fiモードセレクターを設置した場合、
機器の購入費、設置、調整などを含めて約500万円
と見込んでいるとの説明がありました。
これは2022年当時の設備構成と価格を前提とした試算であり、現在導入する場合の費用を示すものではありません。
一方で、技術面だけでなく、具体的な導入費用まで確認できたことで、避難所Wi-Fiについてより具体的に検討するための材料が示されました。
最大の課題として示されたのはセキュリティー
学校の無線LANを一般開放する上では、セキュリティーについても確認しました。
市からは、学校のネットワークには教職員、児童生徒、保護者などに関する情報を扱うシステムが接続されているため、不特定多数が利用する場合には、
- コンピューターウイルスへの感染
- なりすまし
- パスワードの抜き取り
- 通信の傍受
- 個人情報の漏えい
などの危険性が考えられるとの説明がありました。
そのため、学校のネットワークを活用してフリーWi-Fi環境を構築する場合には、十分なセキュリティー対策を検証した上で導入を検討する必要があるとの答弁でした。
技術的に利用可能であっても、学校が保有する情報を守ることは当然必要です。
避難所の通信環境を考える上では、「Wi-Fiを開放できるか」だけでなく、「学校のネットワークと安全に切り分けて利用できるか」が重要な課題となります。
市も災害時の通信環境確保の重要性を認識
一般質問では最後に、避難所のWi-Fi環境を市としてどのように位置づけているのか確認しました。
市からは、スマートフォンなどのモバイル端末が広く普及している状況を踏まえ、それらを利用するための通信環境を確保する重要性は認識しているとの答弁がありました。
また、過去の災害では、通信事業者が移動基地局を配備したり、避難所に臨時の公衆無線LANを設置した事例もあることから、通信事業者の動向も踏まえながら、Wi-Fi環境を含めた安心できる避難所づくりに取り組んでいくとの考えが示されました。
現在、ふじみ野市の公衆無線LANは00000JAPANに対応
ふじみ野市では現在、公衆無線LANサービスを次の公共施設で提供しています。
- ふじみ野市役所本庁舎
- 大井総合支所
- 出張所
- 上福岡西公民館
これらの公衆無線LANは、大規模災害時などに無料開放される「00000JAPAN」に対応しています。
一方、市が現在公開している「ふじみ野市公衆無線LANサービス」の利用可能施設一覧には、小中学校体育館は掲載されていません。
ただし、この公衆無線LANサービスと、2022年の一般質問で取り上げた学校ネットワークの災害時活用は同じ仕組みとは限りません。
そのため、公開情報だけから「学校の避難所Wi-Fiが現在整備されていない」とまでは判断せず、その後の設備や運用がどう変化しているのかを改めて確認する必要があると考えています。
2022年の質問から、その後を確認する
2022年12月の一般質問では、
学校の無線LANを災害時の00000JAPANへ切り替えることは技術的に可能
であることが確認できました。
一方で、
セキュリティー対策をどのように確保するか
という課題も明確になりました。
質問から数年が経過し、学校のICT環境や通信技術も変化しています。
当時確認した課題がその後どのように検討されてきたのか、現在であればどのような方法で避難所の通信環境を確保できるのかについて、今後改めて確認していきます。
一般質問は、その場で質問して終わりではありません。
過去に確認した課題について、その後どうなったのかまで継続して確認し、必要であれば次の提案につなげていきます。
議会活動記録
令和4年(2022年)12月12日
令和4年第4回ふじみ野市議会定例会・一般質問
質問事項
「災害時に利用ができるネットワーク構築」
・公衆電話の活用
・避難所におけるフリーWi-Fi環境の構築
関連情報
ふじみ野市「ふじみ野市公衆無線LANサービス」
ふじみ野市「地域防災拠点(指定避難所)・指定緊急避難場所」
ふじみ野市議会議員
かねはま こうけん(金濵 高顕)






