上福岡駅東口周辺では、駅前広場の整備など、将来のまちの姿を見据えた取組が進められています。
一方で、道路や駅前広場といった目に見える整備だけでなく、災害時の被害をできるだけ小さくするための**「燃えにくいまちをつくる」という視点**も重要です。
令和8年3月10日の一般質問では、大井・苗間第二地区の都市計画変更について質問する中で、ふじみ野市全体の「燃えないまちづくり」に議論を広げ、上福岡駅東口周辺が防火地域・準防火地域に指定されていないことを取り上げました。
上福岡駅東口は防火地域・準防火地域に指定されていない
一般質問では、私は次の点を指摘しました。
上福岡駅東口周辺には商業地域や近隣商業地域がありますが、現状では防火地域・準防火地域に指定されていない場所があります。
駅周辺は建物や人が集まりやすい場所です。
そのため私は、
「上福岡駅東口は、防火が必要な地域ではないか」
という考えを市に示しました。
また、東口駅前広場の整備が進められている今だからこそ、目に見える駅前整備とあわせて、建物の不燃化という目に見えにくい安全対策についても進めていく必要があるのではないかと質問しました。
市も「指定されていないことを課題と認識」
これに対し市からは、重要な答弁がありました。
市は、
上福岡駅東口周辺について、商業地域や近隣商業地域でありながら、防火地域・準防火地域の指定がされていないことを「課題として認識している」
と答弁しました。
さらに、市全体として、
市街化区域全域を防火地域または準防火地域に指定していくことを目標としており、上福岡駅東口周辺も含めて検討する
との考えが示されました。
これは、上福岡駅東口について直ちに指定が決まったという意味ではありません。
しかし、市自身が現状を課題として認識し、今後の検討対象として明確に位置づけていることを確認できました。
そもそも防火地域・準防火地域とは
防火地域・準防火地域は、市街地で火災が発生したときに、建物から建物へ火が燃え広がることを抑えるために都市計画で指定する地域です。
指定されると、新築や建て替え、増築などを行う際、建物の規模や構造などに応じて、外壁や軒裏、窓・ドアなどに一定の防火性能が求められます。
つまり、
一度に町全体を建て替えるのではなく、将来の新築や建て替えを積み重ねながら、長い時間をかけて燃えにくい市街地へ変えていく仕組み
の一つです。
今回の一般質問で取り上げた大井・苗間第二地区でも、新たに準防火地域を指定し、新築・建て替えの際に火災に強い建築物を増やしていくことが、5つの都市計画変更案の一つとして示されています。
大井・苗間第二地区では延焼シミュレーションも
大井・苗間第二地区のまちづくり懇談会では、準防火地域に指定した場合の効果について、延焼シミュレーションを使った説明も行われました。
市の説明では、建物の不燃化が進んだ場合と現状のままの場合を比較し、火災が時間とともにどのように広がるかを示したとのことです。
そのシミュレーションでは、120分後について、
現況の場合:453棟・2万8,491㎡が燃焼
とされたのに対し、
不燃化した場合:194棟・1万1,344㎡
まで抑えられる結果が示されました。
もちろん、これは一定の条件を設定したシミュレーションであり、実際の火災が必ず同じ結果になるというものではありません。
しかし、建物の不燃化が進むことで、火災が急速に燃え広がるリスクを小さくできることを考える一つの材料になります。
市は「市街化区域全域」の不燃化を目標に
今回の答弁で特に重要なのは、上福岡駅東口だけの話ではないことです。
市は、大井・苗間第二地区について説明する中で、
市街地全体の防火性を高めるため、建築物の不燃化・難燃化を進め、防火地域・準防火地域を市内の市街化区域全域に指定することを目標とする
考えを示しました。
そして再質問に対し、上福岡駅東口についても、この方針の中で検討すると明言しています。
私は、この答弁から、市が個別地区だけではなく、より広い視点で**「燃えないまちづくり」**を進めようとしていることを確認しました。
建築費への影響も考える必要がある
一方、防火地域や準防火地域の指定には、住民や土地所有者にとって負担となり得る面もあります。
大井・苗間第二地区について市は、外壁や軒裏、ドアなどの開口部に一定の防火性能が求められることから、建築費が増加する場合があるとの認識を示しています。
安全性を高めることだけを考えれば、指定区域を広げればよいという話になります。
しかし、実際の都市計画では、
- 防災性の向上
- 建築費など市民負担
- 現在の土地利用
- 商業地としての機能
- 将来の建て替えや再開発
などを総合的に考える必要があります。
上福岡駅東口について今後具体的な検討が進む場合にも、指定範囲や内容について丁寧な説明が必要です。
駅前広場整備と同時に「目に見えない安全」も
上福岡駅東口では、駅前広場をはじめ、今後のまちづくりに関わる大きな動きが進んでいます。
駅前広場や道路が整備されれば、その変化は誰の目にも分かります。
一方、防火地域・準防火地域の指定は、指定した瞬間に街並みが変わるものではありません。
しかし、新築や建て替えのたびに火災に強い建物が少しずつ増えていけば、10年、20年という時間の中で地域全体の安全性は変わっていきます。
私は、だからこそ駅前整備と同じ時期に、
「将来、どのような安全な市街地をつくるのか」
という議論も進める必要があると考えています。
今回の一般質問で確認できたこと
令和8年3月議会では、
- 上福岡駅東口周辺には、防火地域・準防火地域に指定されていない場所がある
- 市は、この状況を課題として認識している
- 市は、市街化区域全域を防火地域または準防火地域に指定することを目標としている
- その対象には上福岡駅東口周辺も含めて検討する
- 防火・準防火地域の指定は、建物の不燃化・難燃化を通じて市街地の防火性を高めるもの
- 一方で、建て替えなどの際には建築費が増える可能性もある
ことを確認しました。
現時点では、上福岡駅東口の防火地域・準防火地域指定が決定したわけではありません。
ここは重要な点です。
今回確認できたのは、市が課題を認識し、市街化区域全域の不燃化という目標の中で、上福岡駅東口についても今後検討していく方針です。
「燃えないまちづくり」のその後を確認していく
都市計画の効果は、すぐに表れるものばかりではありません。
防火地域・準防火地域の指定も、将来の建て替えを積み重ねながら、長い時間をかけて地域の安全性を高めていく政策です。
だからこそ、今の段階から方向性を決めておくことが重要です。
上福岡駅東口については、
どの区域を対象にするのか。
防火地域と準防火地域をどのように使い分けるのか。
いつ頃具体的な都市計画変更へ進むのか。
地域住民や土地所有者への説明をどう行うのか。
こうした点は、まだこれからです。
今後、駅前広場の整備などとあわせて、上福岡駅東口の「燃えないまちづくり」がどのように具体化していくのか、引き続き確認していきます。
議会活動日:令和8年3月10日
令和8年第1回ふじみ野市議会定例会・一般質問
ふじみ野市議会議員
かねはま こうけん(金濵高顕)






