議会報告

高畑市長が施政方針を表明

本日、ふじみ野市議会 令和5年第1回定例会が開会しました。

4月にふじみ野市議会議員選挙を控えた、任期中最後の定例会となります。高畑市長による市政方針の表明がありましたので、市民生活に関わりの深い部分を抜粋して紹介します。

【 電子申請と公共施設予約システムの更新 】
 令和5年度については、簡単に Web フォームを効率的に作成することができる電子申請システムを導入し、行政手続のオンライン化を推進するとともに、対象手続の拡大に取り組んでいく。さらに、公共施設予約システムの更新を行い、スマホ対応のシステムとし、利便性の向上を図っていく。

【 防犯・防災 】

 災害時の活動体制の見直しや感染症対策等を反映させた。また、これまで対象要件が広く実効性に課題のあった避難行動要支援者の要件について、避難の実効性に主眼を置いた見直しを図るとともに、要配慮者の受入れを行う福祉避難所についても、公設の避難所に加え、協定に基づく施設の活用について見直しを図った。今後は改定した計画に基づき、地域や法人、行政が一体となり助け合える体制を築いていくことにより更なる災害対策の強化に取り組んでいく。

 東入間警察署とも連携した駅頭での防犯キャンペーンを3年ぶりに開催し、防犯意識の啓発と高揚を図った。こうした地域・警察・行政が一体となった防犯活動の取組により、本市での犯罪発生件数は減少傾向を維持しており、治安の改善が図られている。しかしながら、年々手口が巧妙かつ複雑化している高齢者を狙った振り込め詐欺につきましては、県内における被害件数が増加している。本市における被害件数は、近年、同水準で推移しており、被害防止対策として、補助金による振り込め詐欺等対策機器の普及促進をはじめ、様々な機会を通じた注意喚起を引き続き行っていきたい。

【 公共施設の管理 】
 令和5年度から市役所本庁舎をはじめ、70を超える公共施設で包括管理業務を導入し、施設の維持管理を行っていく。この包括管理業務の導入により、建物の保守管理や修繕に関する専門的知識やノウハウを有する民間事業者が定期的に施設を点検し、計画的な修繕を行っていくことで、予防保全の強化を図り、持続可能で施設利用者にとってより安全・安心な質の高い施設管理を行っていく。

【 大井総合支所へ「書かない窓口」導入 】
 本庁舎で好評であった「書かない窓口」を大井総合支所にも導入する。これにより、令和5年2月から全国で開始された「引越しワンストップサービス」と併せ、市民の皆様の利便性の向上と行政業務の効率化を図っていく。今後は本庁、大井総合支所及び出張所でオンラインと対面窓口の両方のデジタル化を更に推進できるものと考えている。

【 マイナンバーカードについて 】
 出張所においては、マイナンバーカードを利用したパスポートのオンライン申請が令和5年度に本格導入されることになり、曜日、時間に関係なく自宅から申請することができるようになる。現在は、申請時と交付時の2回窓口に来庁いただいているが、交付時1回の来庁で済むため、申請者の負担軽減、窓口の混雑緩和、マイナンバーカードの普及促進につながるものと考えている。

 さらに、戸籍事務へのマイナンバー制度の導入に関しまして、「戸籍法の一部を改正する法律」が令和元年に公布され、令和2年度から順次、戸籍情報システムの改修を実施している。令和5年度においては、令和6年度中の本格稼働に向けた試行運用を実施していく。本システムが稼働すると、これまでの届出時における戸籍謄抄本の添付が不要となるほか、本籍地の市区町村以外の窓口でも戸籍謄抄本の請求が可能となることから、市民の皆様においても、戸籍手続きの際の負担軽減及び利便性の向上が図られるものと考えている。

【 犯罪被害者へ支援を行う条例の提案 】
 犯罪被害者等が受けた被害の早期の回復又は軽減を図り、誰もが安心して暮らすことのできる地域社会の実現を目指し、「ふじみ野市犯罪被害者等支援条例」をふじみ野市議会第1回定例会に提案した。審議の上ご可決となった際は、同条例に基づき、見舞金の支給、相談及び情報提供、日常生活の支援、安全の確保など、犯罪被害者等の被害の状況に応じた適切な支援を行っていきたい。

【 施設整備 】
 ふじみ野市総合センターフクトピアの空調設備更新工事をはじめ、老朽化している設備等の修繕を計画的に実施し、安心かつ快適にご利用いただける環境を整えていく。

 ふじみ野ステラ・ウェストについては、いよいよ令和5年にオープンする。音響効果の高い機能を有するホールでは、これまで市内で鑑賞する機会の少なかった質の高い舞台芸術など、積極的に提供して、多くの市民の皆様にご利用いただきたいと考えている。

 ふじみ野ステラ・イーストのホール棟の整備については、実施設計に着手し、旧勤労福祉センターホールの解体については、本年中に着手し、令和7年10月のリニューアルオープンを目指して取り組んでいく。

 スポーツ施設については、総合体育館や、駒林体育館の修繕・改修を行い、事故防止、そして利用率及び利用者満足度の更なる向上を進めていく。また、クラブハウスのトイレにつきましても洋式化を進めていく。

 ソフト面については、令和4年度から積極的な事業展開を図ってきたが、令和5年度についても、新たに文化団体ネットワーク形成事業として「(仮称)ふじみ野市文化協会」を立ち上げ、文化団体間の連携や情報交換などネットワークの強化に向けた支援を行うなど、協働してふじみ野文化の発展に取り組んでいく。

【 環境問題 】
 ふじみ野市では1人1日当たりにおける家庭系ごみの排出量が少ない市として、令和2年度の実績では、2年ぶりに県内第1位を獲得することができた。令和5年度は、持続可能な開発目標「SDGs」の視点を取り入れながら、市民・環境活動団体、事業者及び行政が連携し、新たな施策を推進するとともに、市民の皆様が快適な生活を送るための良好な環境づくりに取り組んでいく。

 また、令和4 月10月1日に「ふじみ野市ゼロカーボンシティ宣言」を表明した。これを受け、同月に武州瓦斯株式会社及び東京瓦斯株式会社との3者間で「カーボンニュートラルシティ実現に向けた包括連携協定」を締結した。本市が抱える課題を共有するとともに、専門的な知見を賜りながら、環境基本計画に掲げる環境像である「みんなではぐくむ 緑豊かな住みよいまち ふじみ野」を実現するため、私たち一人ひとりが強い使命感を持ち、2050 年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指していく。

【 産業振興 】
 令和4年度は3年ぶりにふじみ野市産業まつりが開催され、多くの市民の皆様にご来場いただいた。コロナ禍で様々なイベントが中止を余儀なくされる中、地元事業者と市民との一体感が醸成されたものと感じている。令和5年度においても、情勢を見極めながら様々な支援をすることで、市内経済の活性化を図るきっかけとしてまいりたいと考えている。また、令和4年4月に施行された「中小企業及び小規模企業振興基本条例」に基づく基本計画を策定し、産業振興施策を総合的に推進していく。

【 農業入門塾 】
 令和3年度に開設した「農業入門塾」は、講師の指導の下、2 年間のカリキュラムを 3 月で終了し、令和 5年度は新たに第2期が始まる。新たな塾生を迎え新規就農のきっかけ作り及び農業に対する意識の高揚を引き続き図っていく。また、直売市や軽トラ市を引き続き開催していく。

【 医療・介護・福祉 】
 令和4年1月、在宅医療にご尽力いただいていた医師が凶弾に倒れ、同行者 1 名は重傷という痛ましい立てこもり事件がふじみ野市内で発生した。この事件を契機に、医療・介護の現場で起きている利用者や家族などによるハラスメントの実態が改めて浮き彫りになり、県知事に面会を重ね、現場の声を活かした対応策の実施を訴え、県におきましてもハラスメント対策事業が順次開始されてきた。

 ふじみ野市も、地域の医療・介護関係者の方々の現場の声を伺いながら、県の事業を補完する対策事業を始めたところでございます。本定例会には、地域の医療と介護の従事者を守り、市民の皆様が安心して必要な医療や介護を受けられるよう、「ふじみ野市地域の医療と介護を守る条例」を議会へ提案した。本市で起きた事件を風化させることなく、引き続き医療事業、介護事業の担い手の方々への支援策を継続して実施していく。

 令和5年度は、更に困窮世帯や複雑な事情を抱えた方への相談体制の充実を図るため、介護予防センター2階に設置している「ふくし総合相談センターにじいろ」を大井総合支所1階に移転し、西側地域の拠点として生活困窮や複合的な課題を抱えた方からの相談を、大井総合支所の市民窓口からのつなぎや市民相談との連携を図りながら実施していく。

 同時に大井総合福祉センター4 階にある社会福祉協議会大井支所を大井総合支所1 階に移すことにより、大井総合支所の市民窓口とワンフロアによるネットワーク化を図り、各種相談やサービス利用の手続き等、市民の皆様の利便性を高め、円滑な支援につなげていく。

 さらに、地域課題や社会資源を把握して地域の方々と地域で支え合う仕組みづくりを推進する「生活支援コーディネーター」も大井総合支所に配置する。生活支援コーディネーターと社会福祉協議会や社協支部との連携により、第2層協議体での住民主体の地域づくりの取組を更に促進していく。

 また、民生委員・児童委員の方々については、令和 5 年度には活動費の見直しなど改善を図っていく。

【 歯科口腔保健事業 】
 小学6年生を対象とした、むし歯・歯肉炎予防健康教育事業及び就学時健康診断の際に「保護者向け歯科講話」を実施する学校数を増やすとともに、ご高齢で口腔機能が低下された方への指導も実施する。

【 出産・子育て応援交付金事業 】
 令和 4年4月以降に出産した全ての方を対象に、妊娠期から産後の育児期まで一貫した伴走型相談支援を行うとともに、妊娠時と出産時に経済的支援を行うことにより、全ての妊婦・子育て世帯が孤立感や不安感を抱くことなく、安心して出産・子育てができる環境づくりに努めていく。

【 放課後児童クラブ 】
 令和4年度に実施した建て替え前の西放課後児童クラブの解体工事をもって、毎年度実施してきた施設の更新及び整備事業は完了し、全ての放課後児童クラブが快適な環境となった。また、夏休み期間中の給食サービス事業は、令和3年度の事業開始以来、保護者の皆様から毎年高い評価をいただいているところであり、令和5年度は8日間提供する。

【 保育所 】
 上野台保育所の老朽化したウッドデッキを改修するほか、民間保育所であるたんぽぽ保育園の空調設備更新工事に対する支援も行う。また、昨今の物価高騰を受け、経済的負担の増加への対応が必要となった場合には速やかに対応していく。公立、民間を問わず保育所の施設整備及び管理運営の状況を把握し適切に対応することにより、ふじみ野市全体の保育の質の向上に努めていく。

【 市内循環ワゴン(ふじみん号)】
 より効果的に、そして持続可能なものとしていくため、コース及びダイヤの見直しを実施してきた。令和5年4月からは、改善された既存の4コースに加え、市役所本庁舎と大井総合支所を結ぶ新たなコースを加えた5コースで運行を実施しいく。今後も市民の皆様に安全で快適にご利用いただける市内循環ワゴンを目指し、取組を進めていく。

【 なんぽの道 】
 整備から 27 年が過ぎ、近年は照明の老朽化や遊歩道においては樹木の根上がりによる段差が生じていることから、令和5年度におきましては、照明の LED 化や舗装改修を進めていく。

【 通称八軒家交差点の改良事業 】
 三芳スマートインターチェンジのフル化の供用開始に伴い、主要アクセス道路となることから、埼玉県川越県土整備事務所、三芳町及び本市が連携し歩道整備等を行うことにより、児童や歩行者の安全確保を図っていく。

【 川越江川流域都市下水路の浸水被害の軽減 】
 川越市と共同で川崎調整池整備事業を進めている。令和4年度には、国の交付金や事業債などを活用し、調整池及びポンプ施設整備の実施設計を進めるとともに、地権者の皆様のご理解を賜り、調整池用地の取得がスムーズに完了した。整備工事については、令和5年度から令和7年度までの3年間で実施する計画である。本調整池につきましては、元福岡地区や川崎地区における浸水被害の軽減に大きな役割を果たし、地域の皆様の安全・安心につながる実効性ある事業であることから、早期の完成を目指し整備を進めたい。

【 市街化調整区域の公共下水道未普及地区における管渠整備 】
 優先整備地区の皆様へ説明会を実施し、理解を頂いた上で実施設計及び調査業務を実施した。令和4年度には、下水道管渠布設工事に着手することができ、令和5年度以降も順次整備を進めていく。

【 水道事業 】
 震災時における耐震対策として、耐震性の低い石綿セメント管の更新事業を引き続き実施し、将来にわたる維持費の軽減対策としてのダウンサイジングも継続実施していく。また、浄水場施設におきましては、令和5年度も引き続き、福岡浄水場第1配水池の耐震補強工事を行う。今後も計画的に災害に強い管路及び浄水場施設を構築するとともに、停電時でも井戸から取水が可能となるよう、水道事業用水源井戸につきましても改修事業を実施し、更なる安全な水道水の安定供給を図っていく。

【 学校教育環境の整備 】
 令和4年度には、さぎの森小学校の工事が完了し、鶴ヶ丘小学校の第 1 期工事に着手した。令和5年度は、鶴ヶ丘小学校の工事完了を目指し、第2期工事を進めるとともに、大井東中学校については3年間で大規模改造工事を実施することとし、初年度の工事に取り組んでいく。福岡中学校の大規模改造工事の設計にも取り組んでいきたい。

 また、本市ではこれまで学校教育環境の整備に加えて、災害時の避難所としての機能強化を図るため、小中学校全校の体育館に空調設備や自家発電設備を設置し、トイレ改修、バリアフリー化を行ってきた。引き続き、令和5年度は、学校開放や部活動等で使用している外トイレの洋式化にも取り組んでいく。いずれの工事においても、児童生徒の安全を第一に進め、快適な学校教育環境を構築していく。

【 学校教育の質の向上 】
 GIGA スクール構想がスタートしたことを受け、本市では、「個別最適な学び」、「協働的な学び」を更に推進するため、令和4年度から配置している GIGA スクール推進主幹 1 名を引き続き配置し、学校における ICT の有効活用を支援し、授業の質的向上、校務の改善などに取り組んでいく。

 また、毎年実施されております「埼玉県学力・学習状況調査」については、多くの領域にいて、正答率の県平均と同等かあるいはそれを上回る結果となっており、特に学年が上がっていくとその傾向は顕著であり、ふじみ野市の児童生徒の学力は着実に向上している。引き続き児童生徒の学力向上に向けて取り組んでいく。

【 学校教育で民間のプール活用の実証実験 】
 老朽化している学校プールの更新費用や維持管理費用を削減し、1年を通して気候に左右されず、計画的、かつ安全な水泳学習の実施が可能となる民間プールの活用をモデル校 9 校で実施し、課題や効果を検証していく。

【 学校給食への公費投入 】
 学校給食については、昨今の物価高騰による賄材料費上昇への対応として、昨年度に引き続き、上昇分について公費を投入することで保護者負担を求めず、栄養バランス、質、量を維持した安全・安心な学校給食の提供を行い、食育を推進していく。

【 東台小学校の今後 】
 令和 7 年度には全校児童数が 100 人を下回る見込みとなっており、今後、ひと学年が 10 人前後となることも懸念されている。小規模校の解消に向け、児童、保護者及び地域住民の方々のご意見を十分に伺った上で、課題の解決に努めていく。

【 大井図書館の移転 】
 本年中のふじみ野ステラ・ウェストのオープンに合わせて、大井図書館が新たな文化施設内へ移転し、業務を開始する。ふじみ野ステラ・ウェストの開館時間が、午後 10 時までとなることから、大井図書館が閉館する午後 8 時以降につきましては、返却 BOX の設置に加え、予約本の自動貸出装置を配備し、サービスの充実を図っていく。また、電子図書の導入を開始し、開館時間内に図書館に足を運べない方や読書困難者、高齢者の方などが本に親しむ環境の拡大を図っていく。

【 上福岡図書館の大規模改修工事 】
 大井図書館の移転後の業務開始を待って着手し、市民の方が、家庭や職場などとは違う、居心地がよくリラックスできるサードプレイスとなりえる図書館にリニューアルし、令和 6 年 7 月の事業再開を目指していく。なお、工事期間中は、大井図書館の営業に加え、図書の貸出、返却カウンターをイオンタウンふじみ野内に設置し、休館中の影響が最小限となるようサービスを提供していく。

【 大井郷土資料館の移転 】
 上福岡歴史民俗資料館の常設展示を本市の総合的な歴史と文化を学べる展示へと再構築するとともに、福岡河岸記念館と旧大井村役場において、それぞれの立地や建物の特色を活かし、関わりの深い舟運、陸運の資料を展示するほか、他の公共施設や民間施設を活用して、アウトリーチによる特別展の開催を積極的に展開し、文化財の保存と活用、知識の普及を推進していく。

以上です。

次回のふじみ野市議会は2月24日に開会し、市長施政方針と議案に対して審議が行われる予定です。

令和5年2月20日
ふじみ野市議会議員
かねはま こうけん

PAGE TOP